miscellaneous for M3-2011秋

トラック・リスト

  1. March 2011
  2. 大学入試センター試験の音楽
  3. Canon for Euler
  4. 5336100 - or five primal squares will reunite in approximately four weeks (excerpt)
  5. ヘクトパスカル -お天気リズムと雨だれのインプロヴィゼーション-
  6. 奈良駅 -せんとくんのために-
  7. 小川町駅 -せせらぎのために-
  8. 新宿駅 -オギュスト・ミュステルのために-(ボイスオンリー・バージョン)
  9. 目白駅 -イワン・ヴィシネグラツキーのために-(「時刻表の音楽 -山手線のために-」より)
  10. punctual?(「punctual? -山手線10周分を同時に聴くメトロポリタン・アンビエント・ドローン-」より抜粋)
  11. Purple Phase(「Purple Phase」より抜粋)
  12. Canon in D major(「Slow Music」より抜粋)

1. March 2011

2011年9月25日の日記より。

時刻表を元に曲を作ったり、気象情報をリズムにしてその上で演奏したり、「あるモノの見え方を変えたらどうなるか」をテーマのひとつとしているので、前から地震を曲にしたいとは思ってました。が、なんとなく忙しさに紛れているうちに3月の巨大地震が発生してしまい作る機会を見失っていたのですが、やはり逆にこの曲は今年作らないといけないなと思い直し、作ることにしました。

地震で亡くなった方や被災された方、悲しい気持ちになられた方、影響を受けた方、いろんな方にお見舞いを申し上げます。という風に書くことが何か免罪符のように見えることがあって、書くのどうしようかなと思ったんですが、でも、かと言って何も書かないのも。なかなか難しいです。

さて、曲は、地震の震源、マグニチュード、震源の深さを元に、実時間の1分を、BPM120の曲の128分音符ひとつに割りあてました。震源の緯度によって音程が変わります。マグニチュードや震源の深さは、ヴィブラフォンを奏でる強さや音量と関連しています。

曲には、映像も付けました。地震発生のタイミングで、マグニチュードに応じた円を描き、その円の中の色を反転します。震源の深さはパラメータとして使用していません。

前置きが長くなりましたが、以下、MVです。タイトルは「March 2011」です。

今回のCDには、当然ですが、映像は入っていません。

2. 大学入試センター試験の音楽

2011年4月3日の日記より。

大学入試センター試験の解答を曲にしてみました。以前作った時刻表の音楽と同様の手法です。

今回使ったのは国語、英語、数学の3教科です。数学は数学IAと数学IIBを選択してあり、数学IIBは問3と問4に回答してあります。

曲が始まると、まず国語の解答がベースラインとして登場します。しばらく待つと、英語がメロディを奏でます。最後に、左右でふたつの数学がピアノを叩きます。

以下、もう少し詳しい説明です。

音高は解答番号、音価(音の長さ)は配点を元にしています。ただし音価は、曲になるように、適宜変更してあります。ですから、音価というより、発音位置が配点と対応しています(このあたりは時刻表の音楽と同様)。

音列は、国語が「CDEFG」、英語が「CDEGABb」、数学は「CDEFGAB」です。ただしこれだと1から7までしか表せないので、数学の場合、0の場合はひとつ下のB、8や9はそれぞれひとつ上のCやDになっています。同じく数学の場合、同じ解答番号を同じ問題で解答する場合があり、その場合はオクターブを変更して調整するようにしました。

音価について、国語と英語が200点満点、数学が各100点満点なので、最後を合わせるため、国語だけ、他の2教科とは倍の長さになるようにしてあります。このため、国語が半分終わったところで英語が入り、英語が半分終わったところで数学が入る、という形になっています。

3. Canon for Euler

2008年12月5日の日記より。

こないだ武満賞を観に行ったとき、ふと募集規定を見たら35歳までとあり、ちょうど僕の年齢がギリだったのでこれも何かの縁と思い応募してみたんだけど、まあ案の定落選。でも、落ちてみるとなにげ悲しいという(笑)。落ちるだろうなとは思いつつ、そこはそれ、やっぱり頑張って曲作って、受かるつもりで応募した訳でね。んもう。ラッヘンマンのバーカ!

ちなみにこの曲は未発表曲です。

以下、応募時に付けた原稿(応募の際は英語にした。以下は英訳する前のもの)。

はじめに

この曲はオイラーの等式として知られる、

eiπ = -1

に基づいている。

つまり、以下のような構造になっている。

編成

フルート:1/オーボエ:1/クラリネット:1/ファゴット:1/ホルン:1/トランペット:1/トロンボーン:1/チューバ:1/サックス:1/チェレスタ:1/ティンパニ:1/ヴァイオリン:1/ヴィオラ:1/チェロ:1/コントラバス:1

コントラバスとティンパニ(以下、パルス演奏者)はパルスを担当する。その他の13人(以下、メイン演奏者)でメインのカノンを演奏する。

パルス演奏者は舞台後方の両端に配置(コントラバスが上手)、メイン演奏者は上手から以下の順番で、舞台上に半円形に並ぶ。

曲の進行

あらかじめ、メイン演奏者は携帯電話のタイマー機能で音が鳴る状態にしておく。その際、いつも使用している音がある場合はその音を使用する。いつも使用している音がない場合は、最初から用意されている音色のうち、最初の音を使用する。他の人と同じ音になっても構わない。

パルス演奏者とメイン演奏者の全員が所定の配置に着いた時点で、指揮者が入場してくる。

指揮者の合図で、パルス演奏者は演奏を開始する。

パルス演奏者が演奏を開始したら、メイン演奏者は全員、指揮者のところへ集まる。このとき、特に静かに歩いたりする必要はない。

指揮者はメイン演奏者全員の携帯電話を預り、メイン演奏者にわからないように、それぞれ、2分から14分までのタイマーをセットする。タイマーのセットが終わったら、携帯電話を全員に戻し、メイン演奏者は自分の場所に戻る。

1分間、待つ。実際の長さは多少ずれても構わない。ただし、長さは指揮者が決めること。

第1楽章の演奏が開始される。

一番上手の演奏者(つまりチェロ)が最初に演奏を開始する。どのオクターブで演奏しても構わない。

次の奏者(ここではチューバ)は、8分休符だけ休んでから演奏を開始する。その際、前の奏者と、実音で同じオクターブにならないようにする。同じオクターブを避けるためには、どんな特殊奏法を使っても構わない。また指揮者は、適当なタイミングで、任意の演奏者に対してオクターブの変更を求めること。

3番目以降の奏者も、同様に、前の奏者が演奏を開始していてから8分休符待って、演奏を開始する。また、前の奏者と違うオクターブで、それ以外の奏者ともできるだけ違うオクターブで演奏を行う。

演奏中に携帯電話のタイマーが鳴った演奏者は、そこで演奏を中止し、楽器を持って(チェレスタは除く)退場する。退場の際は、特に静かに歩く必要はなく、通常の動作のままで。また、退場の際、他の演奏者と指揮者にひと声挨拶をして、会釈をして退場する。

他の演奏者はそのまま演奏を続ける。

1分後、ふたり目の携帯電話のタイマーが鳴り、その演奏者はさきほどと同様に退場する。

タイマーが鳴ったところで第2楽章へ移行する。ただし、タイマーが鳴っていたときに演奏していた音符を鳴らし終わってから、次の楽章へ移行すること。そのため、演奏者によって楽章を移動するタイミングは異なる。

第2楽章以降も同様に、1楽章につきふたりづつ退場していく。第7楽章で最後のひとりが退場したあとは1分間パルス演奏者のみで演奏を行い、指揮者の合図で演奏を終了する。

原稿はここまで。かなり中2ぽくて恥ずかしいですが、まあ、そこはそれということで。

CDに収録したのは、この曲の雰囲気をつかむために作ったデモ音源です。

4. 5336100 - or five primal squares will reunite in approximately four weeks (excerpt)

この曲も未発表曲。そしてこの曲は、今回新しく作った曲。

素数個の音を元に音列を作り、それを複数重ねるというネタなんだけど、たとえば2だったら2個の音を元に音列を、7だったら7個の音を元に音列を作ると。で、音価の方も、2だったら2の音価、7だったら7の音価を持つようにする。ちなみに2の音価は、ここでは4分音符。

そうやって作った2、3、5、7、11の5種類の音列を重ねて鳴らすと、そのうち出会うよねと。

そう思ってとりあえず曲を作り始めて、「ええと、どこで出会うっけ?」と計算してみたところ、2×2×3×3×5×5×7×7×11×11個分の音価でBPMが72なので2,223,375秒になって、約26日弱、つまり、4週間弱かかっちゃうなと。

となると、全部収録するわけにはいかないので、最初の5分ちょいだけ収録しました。

5. ヘクトパスカル -お天気リズムと雨だれのインプロヴィゼーション-

2010年10月9日の奈良アートプロムでのライブ用プレゼンファイルから抜粋。

あるときふと思いました

あー、なんか、気象情報を曲にしたいなあ

というわけで気象庁のサイトを元に

晴れはスネアドラム

曇りはバスドラム

雨や雪はシンバル

雷はハンドクラップ

という風に割り当ててリズムを作ってみました

今回使用したのは2010年の奈良県の気象情報です

素直な4月

ブレイクが使いやすい2月

雷のリズムが明快な8月

を中心に使っています

ちなみになんで奈良県かというと、この奈良アートプロムでのライブ用に作ったからです。

ベースの音を抜いた、ライブ時に使用した映像を貼っておきます。

6. 奈良駅 -せんとくんのために-

同じく奈良でのライブのときに作った曲。

せっかく奈良に来たので奈良駅バージョンも作ってみました

平日の

が対象です

新宿駅は12音音階でしたが、こちらは雅楽の律旋法を使っています

鐘の音を抜いた、ライブ時に使用した映像を貼っておきます。

7. 小川町駅 -せせらぎのために-

2010年11月20日の小川町でのライブ用に作った曲。時刻表の音楽の「目黒駅 -モーグ博士と八百屋さんのために-」とほぼ同じです(時刻表データが違うくらい)。マニアックなアナタは聴き比べてみるのも良いかもしれません。

これも一応、未発表曲。

8. 新宿駅 -オギュスト・ミュステルのために-(ボイスオンリー・バージョン)

時刻表の音楽を宣伝する方法ないかなと考えていたときに、そういえばギズモードってアートネタがたまに載るよなと思い、そして「フック」を用意するためにわざわざ初音ミクバージョンを作ってニコ動にアップしてからギズモードに連絡。おかげさまで記事として掲載してもらえました

9. 目白駅 -イワン・ヴィシネグラツキーのために-(「時刻表の音楽 -山手線のために-」より)

さっきから散々書いている時刻表の音楽からのデモ。JR山手線目白駅の時刻表を元に作られた、4分音ピアノの曲。

10. punctual?(「punctual? -山手線10周分を同時に聴くメトロポリタン・アンビエント・ドローン-」より抜粋)

タイトルで全部説明しているんだけど、そういうCDからのデモ音源です。CDに収録されている曲は1曲のみ、60分30秒。今回のデモは5分ちょっと。

音源としては違うものだけど、一応PVも作ったので以下に貼っておきます。

11. Purple Phase(「Purple Phase」より抜粋)

なんとなくエレクトロニカっぽいものを集めたPurple Phaseよりタイトル曲を5分ほど収録。大音量で聴いてほしいです。

12. Canon in D major(「Slow Music」より抜粋)

普通に演奏すると6分で終わるパッヘルベルのカノンを、高速フーリエ変換を使って無理矢理CD1枚分に引き伸ばした曲。音のゲシュタルト崩壊。